2007年09月27日
白州蒸留所訪問 最終夜
いよいよ白州蒸留所の紹介も今日で最後になってしまいました。今日は、白州蒸留所で見ることのできる 「リチャー」 を紹介したいと思うのですが、その前に昨日の熟成のところで少し紹介を忘れていた事があります。それは、山崎蒸留所では多くがシェリー樽で熟成されているのに対して、白州蒸留所ではバーボン樽やホッグス・ヘッドといった小さな樽で熟成されているという事なのです。そして、こうして熟成に使われた樽は、瓶詰めされた後に再利用されることになるのです。その回数は、熟成に使われた年数などで決められるのですが、そのまま新たにスピリッツを詰めても熟成はなかなか進みません。そこで、木の成分がほとんど溶け出してしまった表面層を焼き、それと同時に中にクラックを入れることで、より木の成分が溶け出しやすくするための工程が 「リチャー」 という工程になります。まずは、画像をクリックすると 「リチャー」 を開始した時の燃え方を見ることができますので、画像をポチッとクリックしてみてください。
先ほどの映像では、炎の色は青色だったと思います。これは木の表面に染込んでいたアルコール分が燃えていた為で、アルコールが燃える色が青色という訳なのです。しかし、先に述べましたようにリチャーの工程はアルコールを燃やす事ではありません。このアルコールが燃えきった後に木が燃えることで、木の表面にクラックが入っていくのですね。その模様は、この上の写真をクリックすると実際に見ることができるのですが、炎の色がオレンジ色に変わっているのと同時にパチパチと弾ける音がするのがお解りでしょうか。こうして、木が燃えることでオレンジ色になると同時に、木が燃えるとクラックが入っていくのですね。
・いよいよ火を消します! (← クリック!)
リチャー中の写真が2枚しかなくて申し訳ないのですが、程よく燃えたところで火を消すことになります。そのタイミングというのは職人の長年の経験に基づくモノになるのですが、燃え方が足りないと熟成が思ったように進みませんし、燃えすぎてしまうと今度は焦げ臭い香りがウイスキーについてしまう事になるのです。それを利用してウイスキーにチャコールの香りを付けているのがバーボンになります。モルトウイスキーにあのような焦げ臭い香りは必要じゃありませんので、この火を消すタイミングというのも味わいに大きな影響を与える事になるのです。しかし、柄杓1杯の水で火を消すのは職人技を見ているようで、とてもすごく感じますよね。
さて、今回の白州蒸留所訪問記はいかがでしたでしょうか。今日は特にリチャーの工程を詳しく紹介いたしましたが、これが終わるとバスで最初のウイスキー館の近くに戻り、そのまま試飲会場に移ります。それでも飲み足りない方には、有料試飲コーナーである 「Bar Hakushu」 が併設されていますので、訪れてみるのも良いと思います。この有料試飲コーナーはカウンター席があり、それは銀座の老舗バーであった 「うさぎ」 より移設してきたモノになりますので、山崎蒸留所のテイスティング・コーナーというよりも、もっとバーに近い雰囲気を持っているのです。ただし、内容は山崎蒸留所のように充実しておらず、白州蒸留所限定販売のモルトなどは飲めますが、ニュー・ポットや有料試飲コーナー限定のモルトなどは置いてありません。しかし、その雰囲気とおいしいモルトを安く飲めるだけでも、行く価値は十分にあると思います。是非一度、白州蒸留所まで足を伸ばして甲斐駒ヶ岳の麓にある赤松林の空気をいっぱいに吸い込んで見てください。
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2007年09月26日
白州蒸留所訪問 第2夜
白州蒸留所訪問 2日目は、「蒸留」 の工程になりますね。実は、白州蒸留所の蒸留室内には特別な許可がないと立ち入る事はできません。そんな訳で、一般の見学ではガラス越しの見学となってしまう為に、蒸留室内の紹介も山崎蒸留所と比べると少し短いような気もします。それはともかく、白州蒸留所の釜はすべて直火加熱方式を取っていますので、少し香ばしいフレーバーが付くのが特徴になります。そんな蒸留の工程、向かって左手に並んでいる初溜釜(ウォッシュ・スチル)で、先ほどのファーメンテーションの工程で出来た 「もろみ」 を蒸留する作業を行うのです。その為に、釜の大きさもこの後に紹介する再溜釜(スピリッツ・スチル)に比べて大きくなっています。
そして、こちらが向かって右側に並んでいる再溜釜(スピリッツ・スチル)なのです。大きさはもう一目瞭然で、再溜釜の方が小さいことはお分かり頂けると思います。それは、最初アルコール分が非常に低かったウォートを蒸留することで、かなりの水分や不純物が取り除かれており、次に蒸留される液体量がかなり減っているからなのです。それにしても、白州蒸留所の再溜釜は非常に小さく見えると思いますので、山崎蒸留所訪問記の蒸留の工程と見比べてみるのも面白いかもしれませんね。この先からは、バスで各工程を回る事になるのです。
熟成の工程で出来たニュー・ポットは、樽に詰められて熟成の工程に移る訳ですが、白州蒸留所では熟成庫内の撮影は禁止されております。これは、新型のラック式を用いているために、建物に対しての樽の密度が非常に高くなっており、空気中のアルコール濃度も高くなっているからだと思われます。ちょうど機械が収納している樽を取り出すスペースの他はラックが移動するように出来ており、コンピューターでその管理が行われているのです。きっと、心の準備をしないで熟成庫に足を踏み入れたならば、アルコールの匂いでむせ返るかもしれません。
いよいよ明日は、最終夜なのですが白州蒸留所でしか見ることのできない、あの工程を動画を交えて紹介できればと思っております。ここにアップできるほど、動画ファイルの容量は小さくありませんので、外部ファイルとの連動を試みようと思っています。その為、上手くできるかは解りませんが、どうか楽しみにして頂ければ光栄です。
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2007年09月25日
白州蒸留所訪問 第1夜
白州蒸留所を訪れるのは、今回が2回目になります。昔より、小淵沢の地が大好きで東京在住時代は時間を見つけては、避暑を兼ねて小淵沢の小さな工房を訪ね歩いておりました。昨年、白州蒸留所を訪れた際には小淵沢に宿泊したのですが、昔の赤松林は徐々に姿を消して行っており悲しい思いをしたのを覚えています。そして、今年は朝早くから小海線(最近人気のローカル線らしいですね)で小諸から小淵沢へとやってきたのですが、その観光客の多さに驚くばかりだったのです。そんな前置きはともかく、今回は白州蒸留所の見学過程を写真を交えながらお伝えできればと思っておりますので、いつものように3日間お付き合い頂ければと思っております。
白州蒸留所訪問記の初日は、ウイスキー博物館の写真からスタートしましたが、見学工程はいつものように 「マッシュ・タン」 からの紹介になります。実は、前日に軽井沢蒸留所を見学したのですが、その時の印象は非常に小さいマッシュ・タンだなという事でした。この模様は、後日お伝えできればと思っておりますので、お楽しみにお待ちいただければと思います。ところで、いきなり大きいとか小さいとか言われても、皆さんが比較できるのは、見たことがある蒸留所のマッシュ・タンになると思うのですが、白州蒸留所のモノは見た目だけでデカイ!と驚かれるのではないでしょうか。実際に目の前に立って見ると、その大きさに圧巻されると思います。
そして、そんなマッシュ・タンを見学した後は後ろを振り返ってみれば、「ファーメンテーション桶」 が並んでいるのです。そういえば、うちのブログの蒸留所訪問でファーメンテーションの工程を写真を交えて紹介するのが今回は初めてになりますよね。この桶、実は非常に深さがあるのですが、それは先ほどのマッシュ・タンで生まれたウォート(麦汁)を発酵させるからで、発酵がピークに達する頃にはその泡が桶の上部にまで達してくるために、かなりの深さが要求されるのです。そして、この発酵過程で生まれた熱は泡という皮膜によって保たれ、さらに発酵が進むことで温度は更に上昇します。こうして、ある程度発酵が進んだ段階で熱によって酵母は死に絶え、発生していたガスがなくなる事で泡も消えて、ファーメンテーションの工程が終了するのです。もし蒸留所を見学する機会があれば、是非ともファーメンテーション桶のところで足元を見るようにしてみて下さい。上だけを見ていると気がつかない桶の大きさに驚くと思います。もしくは、上を見上げて見学するところもあるかもしれませんね。ちなみに、山崎蒸留所の有料試飲ブースの近くにある世界のウイスキーを並べている棚は、ファーメンテーション桶を再利用したものになるのです。
今日は、初めて 「ファーメンテーション」 の工程を紹介致しましたが百聞は一見にしかず、お近くで蒸留所見学ができる場所にお住まいの方は、是非とも時間を見つけて頂いて足を運んで見てください。きっとそこには、ここを読んでいる以上に肌で感じる何かがあると思います。さて、明日は 「蒸留」の工程となるのですが、そうなるとみなさんが興味をお持ちなのは蒸留釜になりますよね。各蒸留所の個性の多くはこの蒸留釜で生まれるとも言われています。どんな蒸留釜が据え付けられているのか、明日のブログを楽しみにして頂ければと思います。
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