2007年10月08日
軽井沢蒸留所訪問 最終夜
私が訪れた日は、メルシャン軽井沢美術館では 「千住 博の眼 印象派とその源流展」 が開催されていました。モネやルノワールとバルビゾン派の画家の作品が、このウイスキーとワインの魅力に触れる事のできる場所で出会えるのも、この美術館の魅力ではないでしょうか。そして、絵画だけではなく美術館の建物も素晴らしい作品であり、実はかつて軽井沢蒸留所最大の貯蔵庫であった建物を、ルーヴル美術館改装を手がけたジャン=ミシェル・ヴィルモットの手によって美術館へと変貌を遂げたのです。その美術館棟は、公開された翌年である1996年に建築・設備維持保全推進協会から、ベストリフォームビルディング部門でBERCA賞を得ているのです。
この美術館からミュージアム・ショップへ移動する時に、ちょうど裏手を通る事になるのですが、その時に撮った写真がこちらになります。エントランスを抜けて正面の建物がミュージアム・ショップになるのですが、その表の荘厳な雰囲気とは少し異なり、裏手から見ると御代田の地にひっそりと佇むウイスキー貯蔵庫の面影を垣間見る事ができるのです。そう、この建物も貯蔵庫を改装して建てられており、中ではフランス国立美術館連合との提携により、フランスでしか手に入らない美術館グッズなども販売されています。表の荘厳な雰囲気の入口は、是非ご自身で足を運んで見ていただければと思いますので、今回は写真を控えさせていただきますね。
そして、紹介が最後になりましたが第1夜の最初の写真にも登場していたのがエントランス棟になります。この建物が、正門を抜けると正面に見えるのですが、中に入るとその空間の贅沢な使い方に驚く事になるのです。高い天井に贅沢なまでに広い空間は、かつてクーパーレッジが存在した場所であり、その建物を改装して作られただけに広い空間が存在するのですね。そして、エントランスの左手にある中庭の周りには白樺の木があり、アンジュレーションに富んだ中庭は和みの空間を生み出しているのです。
このように敷地内の多くの建物が蒸留所に関連した建築物であった事もあり、非常に落ち着いた和みの空間を生み出しているメルシャン軽井沢美術館は、単なる蒸留所見学という視点で訪れるのではなく、美と食と空間を意識して楽しむ事で何倍も楽しく過ごせるのです。そこには悠久の時間と世界の美が存在しており、さらに自然の神秘をも感じ取れるので、電車で訪れた方は必ず帰りの電車の時間をチェックし(エントランスに時刻表が置いてあります)、電車に乗り遅れないように注意してください。しなの鉄道は1時間に1本しか走っていませんので…。
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2007年10月07日
軽井沢蒸留所訪問 第3夜
今日は熟成の行程を紹介するのですが、この行程も蒸留所によって使っているセラーが違いますので、その雰囲気も随分と異なっていましたよね。もちろん、軽井沢蒸留所も独自の雰囲気を持ったセラーを有しており、今まで紹介したセラーの中で始めてのラック式のセラーになるのです。しかし、このラック式のセラーは近代的なセラーとは違い、移動式ラックを用いていない昔ながら作りになっているのが良いですよね。そして、もう1点注目して頂きたいのが、樽の大きさになります。この樽の大きさに違和感を感じられた方は、蒸留所などを結構巡られたのではないでしょうか。そう、シェリー樽ではあるのですが、幅が短くなっているのです。このラックに収めるために、シェリー樽の両端をカットした大きさで組みなおして詰めているのも、軽井沢蒸留所の個性が生まれる要因になっているのかもしれませんね。
この写真は、先ほどのセラーの外観になるのですが、蔦が絡まっている建物が非常に趣がありますよね。そして、この蔦が絡まる事で落ち着いた雰囲気になっており、ウイスキーが無色透明の液体から黄金色を経て琥珀色に染まっていくという、非常に神秘的な雰囲気をも作り出しているような気がするのです。セラーは、この見学できるセラーの他にも2ヶ所あり、ひとつは出口を出た正面にありますので、この中でもウイスキーが眠っているのかと想像を膨らまして見るのも良いかもしれませんね。
そんな熟成を行う為に必要な樽にはメンテナンスが必要になります。特に、軽井沢蒸留所では長さを短くした樽を使用している為に、樽を組みなおしたりする作業が必要になるのです。余市蒸留所でもクーパー・レッジ(製樽場)を見学する事はできますが、軽井沢蒸留所の製樽場はそれに比べると小さいものの、そこにはどこか温もりがあります。後は、樽に詰めるためのスピリッツの生産が安定して復活する事で、製樽場も賑わいを見せることになるはずですので、その日が来る事を願って軽井沢蒸留所のモルトを楽しむのも良いかもしれません。
明日は、いよいよ蒸留所訪問の最終夜になります。軽井沢蒸留所は、1995年に改装工事を行って軽井沢美術館をオープン致しました。それによって、軽井沢美術館を中心としてミュージアム・ショップ,レストラン.カフェ,そして蒸留所を併設する複合施設へと、その姿を変えているのです。そんな軽井沢美術館の魅力に最終夜は触れてみたいと思います。
※蒸留所施設内は撮影が禁止になっております。今回の蒸留所訪問に当っては事前に取材許可を得て撮影をしておりますので、蒸留所訪問の際に撮影禁止区域での撮影はご遠慮下さい。
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2007年10月06日
軽井沢蒸留所訪問 第2夜
明日は、いよいよ蒸留所訪問の最終夜と思いきや、軽井沢蒸留所は日本にある他の蒸留所と少し違ったところがありますので、明日の第3夜で 「熟成」 を紹介した翌日に施設内にある建物に関して紹介をしていきたいと思っていますので、楽しみにして頂ければ光栄です。
※蒸留所施設内は撮影が禁止になっております。今回の蒸留所訪問に当っては事前に取材許可を得て撮影をしておりますので、蒸留所訪問の際に撮影禁止区域での撮影はご遠慮下さい。
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2007年10月05日
軽井沢蒸留所訪問 第1夜
軽井沢蒸留所が操業を開始したのは、昭和30年(1955年)の事でした、浅間山を一望できる佐久地方の涼しい白樺林の中に作られた蒸留所は、その後半世紀にかけて上質なモルトを生み出してきたのです。そして、その設備は決して工業生産的な施設ではなく、手作りに近い設備で生産されてきている為、一度に生産できる量は限られているのですが、その分ひとつひとつの行程に目が行き届く事からも、上質のモルトが生産されつづけてきたのかもしれませんね。また、原料にはゴールデン・プロミス種を使用するなど、材料にまでこだわって作られてきました。しかし、現在はほぼ休止状態にあるため、これを読んだみなさんが興味を持って軽井沢蒸留所のモルトを口にして下されば、再び軽井沢蒸留所の釜に活気が出てくる日が来ると思います。
いつものように蒸留所訪問記を生産工程の順番に沿って紹介していきたいと思うのですが、まずはウォート(麦汁)を作る行程である 「マッシュ・タン」 を紹介したいと思います。山崎蒸留所のモノと比較して頂ければ、その大きさの違いは一目瞭然だと思うのですが、この大きさこそが個人的には非常に手作感を感じた一瞬だったのです。今までは大きな 「マッシュ・タン」 が居座っている感じだったのですが、軽井沢蒸留所の 「マッシュ・タン」 はこのように人の手によって造られている大きさという感じがしますよね。また、ここで2度ウォートを取り出す作業を行うのは、ビールを作るときの作業と同じになるのです。
そして、先ほどの行程で出来たウォートは発酵槽へと送られ 「ファーメンテーション」の工程に入ります。この行程で大きな役目を果たすのが、この桶の素材なのですが軽井沢蒸留所ではオレゴン松を使用しているとの事でした。この桶は全部で5基あるのですが、全て同じ大きさ・同じ材質で作られていますので、味わいも比較的均一なモノが生まれると思います。他の蒸留所では、材質の異なるモノを置く事で味わいの違うモルトを生み出しているところもありますので、このように同じモノで作ることで、より蒸留所の個性が強く出るようになると思います。
今日は、最初のアルコールが生み出されるファーメンテーションの行程まで紹介してきましたが、とにかく手作りの感覚が伝わってきたのではないかと思います。1回の仕込量が 1t という少量であるのですが、それゆえに職人は隅々まで目を光らせる事で、良質の原料に輝きを持たせる事ができるのですね。明日は、「蒸留」の行程を紹介したいと思いますので、楽しみにしていただければ光栄に思います。
※蒸留所施設内は撮影が禁止になっております。今回の蒸留所訪問に当っては事前に取材許可を得て撮影をしておりますので、蒸留所訪問の際に撮影禁止区域での撮影はご遠慮下さい。
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